2019年05月31日

光州と麗水の宿

宿への「耐度」は落ちたようだ。

特に投宿した宿が不潔や騒音が重なると、訪問地の印象まで悪化する。若い時は宿と訪問地の印象が直結することはなかったのだが、今回、光州で投宿した宿は、最悪で光州の印象まで悪くした。再訪問したい気になれない。

これまで宿は、初日と最終泊日だけを事前予約する程度だった。5年前の韓国行きもそうだし、その時はレイル・パスを利用したので、その日の宿泊地もその日の午後になって変えることすらあったから駅に着いてからその夜、宿を決めていた。
今回は、訪問地を絞り込んだことと、日程の後半、韓国も3連休になることもあり、全泊を事前予約した(初めてのことだ)。

光州の宿は、バックパッカー宿で、宿の名前にも「Backpack」の名が付いていた。3台の二段ベッドが並ぶドミトリー・ルームと個室が一部屋ずつの小規模の宿。もうドミを利用する気はないので、30前半まで利用していたが(苦笑)、個室に2泊した。
部屋は不潔とまではいかないが、使いづらいことこの上なかった。部屋には布団と枕が置いてあるだけで、他は何もない。エアコンのパイプに安物ハンガーが一つあるだけ。窓にはカーテンがなく、消灯しても部屋は外からの灯りで隅々まで見渡せる程だ。しかも近くは車量が多い大通りで、夜中も車のエンジン音が途絶えることがなかった。おまけに夜9時頃に宿に着いた韓国人の大学生、女性5人組が夜中の2時頃まで話し声がした(翌日、彼女らは大量のゴミを放置したまま去った)。

光州のバックパッカー宿は、何よりよくないのは、オーナーやスタッフ不在の「無人」宿であることが要因だ。このバックパッカー宿のオーナーらしい男性とは、チェックインの際、携帯電話で少し話しただけだった。宿代は、「1階のバイク屋に支払ってくれ」というのが主な内容で、そのバイク屋の青年からドアの入室のパスワード数字を教えてもらった。2泊目の宿泊者は私のみ。前夜の大学生グウープが残していった大量のゴミはそのまま。宿帳のようなものがあり、覗いてみたが、利用者は少ないようだ。利用者が少ないから「無人」宿で、施設の手入れもしないから、再利用者が少なく…、なのか。

一方、光州の前の麗水の宿は、これまで利用した宿でも三指に入るくらい素晴らしく、麗水じたいも好印象となった。同じ1泊3千円程度でも雲泥の差があった。場所、清潔さ、 景観(屋上があり港が一望できた)、使いやすさ、いずれも申し分ない。加えて、フロントは若くて綺麗ときている。
この麗水の素晴らしいホテルは運営の省力化には目を見張った。フロントはその美人さんひとりのみ。朝食時は、給仕のスタッフはおらず、食後の食器は、所定の場所に戻すだけではなく、使用者が自ら台所で洗い片付ける。片付けができやすいように、装置配備の絶妙さに思わず唸った。朝食には韓国らしくキンパ(のり巻き)があったが、フロントのお嬢さんの横には、予備のキンパが置かれていた。どうやらキンパ補充も彼女の役割らしい。

光州と麗水。連続しての雲泥の差の宿を利用できたのも何かのよい旅の縁。しかもほぼ同じ宿代というのが意義深い。両方の省力化の仕方の違いも示唆に富む。
posted by 太田黒 剛 at 17:01|

2019年05月23日

韓国南部をバス周遊

今回の韓国南部をバス周遊して不便に感じたのは、バスターミナルが郊外にある都市が多いことだ。

周遊した大邱、晋州、麗水、光州、全州の5都市うち、麗水、光州、全州の3つは郊外にあった。晋州も長距離路線は、少し郊外にある。
バスターミナルが郊外にあると旅行者にとっては不便だ。最も不便に感じたのは光州だ。ここのバスターミナルはショップ、飲食店がたくさん入居している大型モールの「U-spuare」の一角にあり、新しい巨大な建物だ。光州への到着時には、ターミナル内に大型書店が目に留まり、好印象だった。
ところが、地下鉄(光州の地下鉄は一路線のみ)の最寄りの駅まで2キロ以上離れている。ターミナル内のインフォメーション・カウンターの女性に地下鉄駅までの道のりを尋ねたが、あまり要領を得ない。地下鉄への表示図もないし、歩き出して分かったことだが、バスターミナルから地下鉄駅まで移動する者などいない。都市人口は150万人なのに地下鉄利用者は少ない。駅構内は閑散としていた。

バスターミナルと地下鉄がまったくリンクしていない。世界的にも珍しい。光州は政治スローガンが先行(していると思われる)都市づくりで、その施設単体だけ見ればよいのだが、全体的としては調和を欠く都市だ。このことは他の機会にまた記す。

5年前はレイル・パスを使って列車周遊(主にKTXを利用)した。その時、慶州はKTX(韓国高速鉄道)の駅は、急行を含む在来線の駅とは異なる場所に、それも郊外に新設されていた。
繁華街あるいは在来線の中央駅までバスかタクシーを利用しなければならない。太田も全羅北、南道行きには、「西太田駅」に移動が必要。こうした不便さがある。これは、台湾の高速鉄道では、いっそう顕著である。

大邱も光州のバスターミナルと同様に、ショップ、飲食店、映画館など入居している大型商業施設内にあった。こちらは地下鉄駅と密接にリンクしているので問題ない。ただ、大邱は今回が3度目。1度目は20数年前に安東へ行く途中、それから2度目は世界遺産、海印寺への訪問時。その時に利用したバスターミナルは、その東大邱の巨大バスターミナルとは異なり、小規模のものだった。最初に東大邱に着き、見渡すもバスターミナルらしくものはない。尋ねた人から、「あの向こうのビル内にある」と、指さされて驚いた。

なお、長距離バスじたいは、搭乗したすべてのバスが定刻発車。座席も広く(日本よりもやや広い)、快適だった。

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大邱の中央バスターミナルは大型商業施設内にある
posted by 太田黒 剛 at 16:51|

2019年05月14日

キャッシュレスの韓国

久々の更新。というか今年になって初めて。

10日間の連休はまるまる韓国へ行っていた。
大邱、晋州、麗水、光州、全州と韓国南部(主に全羅南道)の地方都市をバスで周遊してきた。
5年前はレイル・パスを使って列車周遊(主にKTXを利用)だったので今回はバス周遊にした。

近年は、中国、台湾、韓国と東アジアへと足を向けている。異国観察を≪より広く≫から≪より深く≫へと移行したい思いからだ。

今回の韓国行きについて、いくつかに分けて、順番など気にせずに記してみたい。

昨夜、新聞を読んでいると(最近、朝は新聞をさっと見る程度で、晩酌の「伴」にする時の方が多い)、普段は見もしない読者投稿ページに目がいった。
「タクシー泣かせの1万円札」とのタイトルで投稿者は「タクシー乗務員、69歳」とある。
投稿の内容は「「タクシーで1万円札を出したら運転手にキレられた」という話題をやっていました。ここは本音で語ります。給料日後の数日が特にひどい。何度も経験しましたが、2,3度続けて1万円札を出されたらお手上げです。(改行後)釣り銭は原則、乗務員が用意していますが…」。そして結びは「お願いですから、初乗りなど千円以内の距離の場合は、少額紙幣を用意していただけませんでしょうか。」(朝日新聞、5月13日朝刊)

キャッシュレス社会の韓国から帰国したばかりだからこそこの投稿記事が目に入ったのだろう。かの国は想像以上にキャッシュレス化が進んでいた。
実質滞在2日目のどしゃ降りの雨の日。長いできそうな所と思いスターバックスに入った。カウンターで現金払い不可という旨を告げられた(これはニュースで知っていた。厳密に言えば、店員さんにそう言われて思い出した)。そんなルール化をせずとも、韓国のカフェ、食堂、交通機関で現金払いは、ほとんど見かけなかった。皆、クレジットカードかスマホで決済している。
麗水(ヨス)の元エキスポ会場でのこと。自国、韓国のパビリオンだけはいまも公開していたが、入場料2,500ウォン(約250円)さえ「現金払い不可」と言われた。値が張るモノはカード払いにするというわけではない。テイクアウトのコーヒー1杯300円程度でもカード決済するのが普通になっている。

韓国のタクシー運転手は、日本の場合のように釣り銭の悩みはない。私は今回の旅で3度、タクシーを利用し、現金で支払ったが、それは稀な乗客になる。

旅の最終日、大邱。韓国での最後の食事。地元の人が利用するような食堂を見つけた。大邱のクッパはご飯とスープが別々に給されるタロ(別)クッパが特徴だ。隣の30歳前後と思われる男性もひとり客で、同じクッパで真露(韓国焼酎)をちびりちびりやっている。月曜(5月6日)の昼前だが、韓国はこの日は振り替え休日だった。そのまた近くのテーブルには5名のスーツ姿の若い男性グループがいた。テーブルの上には食事とともにビール4,5本あった。全員、上着を脱ぎ、ネクタイを緩めている。どんな仕事をしているのだろう…
スーツ姿の若者の一人が精算をしている。やっぱりカード決済だ。全員のぶんを一人がカードで支払ったのだ。韓国は、中国と同様に外食で割り勘をしている光景は見かけない。そういう習慣の社会では、キャッシュレス化は受け入れやすい。
割り勘が多い日本では、そうはいかない。

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ご飯とスープが別々に給されるタロ(別)クッパ
posted by 太田黒 剛 at 17:47|