2018年09月14日

『島のエアライン』(黒木亮著)を夢中で読む!

『島のエアライン』(黒木亮著)を夢中で読んでいる。
昨日、上巻を読了し、下巻へと移った。

熊本県の天草〜熊本、福岡間を運航する天草エアラインの創業から昨年までを描いている。登場人物はすべて実名とある。
地元、熊本の唯一の航空会社でありながら、私は天草エアラインについて何も知らなかった。恥ずかしながら、一枚の航空券すらも手配したこともなかった。熊本市内に住む人は、天草へはたいていは車で行くものだから。

それどころか、天草エアラインが一時期、天草〜松山(愛媛県)線を運航していたことすらも知らなかった。
「「熊本日日新聞」は、<天草エアライン開業5年周年 松山線効果でV字回復 2004年度見込み、前年度比6500人増 黒字化には依然厳しさ>という見出しで決算の概要を報じた」
(下巻 56ページ)
ロンドン在住作家に天草エアラインについてイチから教えてもらっているようなものだ。

世界各地を舞台にしたリアルなビジネスシーンを描く経済小説家、黒木亮の著作はほとんど読んでいる。その黒木亮が『週刊サンデー毎日』に天草エアラインについて長期連載していたのはネット情報で知りえていた。ロンドン在住なのにどんなきっかけで日本の地方のローカル航空会社をテーマとして選んだのか、最初は訝しく思った。

彼の作品『法服の王国 小説裁判官』に家庭裁判所天草支部が出てくる。その時、天草を取材に行く時に天草エアラインを利用したのだろうと推測する。もしそうだとすれば、力量のある作家は、そんなきっかけで、取材し、これだけの小説(というよりレポート)が書けるのだ。
posted by 太田黒 剛 at 16:13|

2018年05月25日

原武史の著作を読み継ぐ

日本近代政治思想史の学者、原武史の著作を読み継いでいる。

処女作の『直訴と王権―朝鮮・日本の「一君万民」思想史』から読み出し、大学の講義録である『知の訓練 日本にとって政治とは何か』、書評&エッセイ集『影の磁力』、講談社ノンフィクション賞受賞の『滝山コミューン 一九七四』を読了。

現在は『<出雲>という思想』、『松本清張の「遺言」 『昭和史発掘』『神々の乱心』を読み解く』を併読中。加えて入浴中に『鉄道ひとつばなし2』を再読中。
posted by 太田黒 剛 at 16:21|

2018年04月14日

最近の読書

熊本地震から2年。
2年前、16日夜中の本震の後、その翌日の土曜、夜も雨だった。そして、今日も雨。
<こんな大地震の後、なにも雨が降らんでも…>
と思ったことを思い出す。

『冬のアゼリア 大正十年・裕仁皇太子拉致暗殺計画』(西木正明著)を読了。
この著者の『間諜 二葉亭四迷』、『夢顔さんによろしく 最後の貴公子・近衛文隆の生涯』と立て続けに3作品を読んだ。

ひょんなことから西木正明氏の作品にハマってしまった。
ブックオフの100円コーナーでたまたま『沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか』(共同通信社社会部編集、新潮文庫、99年刊行)を見つけた。熊本出身のジャーナリスト、魚住昭氏が共同通信社時代に携わった本で、以前から読んでみたかった。久しぶりに「満洲」絡みの本を読み、『間諜 二葉亭四迷』という作品があるのを知ったのが、西木正明氏の作品にハマったきっかけだ。
『沈黙のファイル』の文庫本解説は船戸与一。その後、船戸は大長編『満州国演義』を擱筆して、生涯を閉じた。

先週7日、朝日新聞の経済欄のベタ記事で小見出しは「東芝、WH株の売却完了」。売却額はなんと「計1ドル(約107円)の予定」とある。普段ならば、私は経済面など流し読みするか、そのままページをたぐり、さっさとスポーツ面にいく。ましてや大企業の動向など無関心といってよい。
ただ、ひょんなことから「東芝」の社名は、カラーバス効果のようにいまは目に飛び込んでくる。
『テヘランからきた男』(児玉 博著)。新聞の新刊本広告でこの本を知った時は、ミステリー小説のような題名だなとの印象を受けたが、どうもノンフィクションらしい。サブタイトルは「西田厚聰と東芝壊滅」。この本で東芝を「知った」きっかけとなった。『東芝の悲劇』(大鹿靖明著)もすぐに読んだ。

その2冊の本には、東芝がアメリカの大手原子力メーカーWH(ウェステインハウス)を買収した際の詳細が克明に描かれている。他社(三菱重工業)と競り合ったため、高掴みした買収落札価格は「約54億ドル」。買収後はさんざん東芝本社の足かせとなり、その後、約10年あまりで「1ドル」になるとは…。本のタイトルのようにミステリーだ。
posted by 太田黒 剛 at 12:03|